以下の記事では、mfx信号機を使用しています。
mfx信号機が発売される以前の、手動アドレス設定式のデジタル信号機をお使いの方は、設定方法や設置方法については、下記のページをご覧ください。
信号機を準備する
信号機を設置すると、信号機の手前で列車を自動的に停車させることが出来るようになります。
メルクリンでは信号機は情景を演出するストラクチャーではなく(もちろんその役割もありますが)、列車の運転を行うために必要な制御機器のひとつなのです。
mfx信号機では、従来では手動で割り当てが必要だったアドレス設定操作が不要で、CS2が自動で信号機を認識するようになっており、設定がより簡単になっています。
使用するパーツ
信号機の箱の中には非常にたくさんのパーツが入っていますが、これらは全部は使いません。
過去の資産との互換性を保つためのアナログ式レイアウト用の配線や、固定式レイアウトで信号機をより実感的に設置するための固定具も一緒に同梱されているからです。
使うパーツは下の写真にある
(1)信号機本体
(2)赤茶リード線(ビニル袋の中に入っています)
(3)赤2本のリード線(ビニル袋の中に入っています)
(4)Cトラックへの信号機固定用パーツ
です。
使用しないパーツもなくさないように大切に保管しておいてください。
ディップスイッチをメルクリン用に設定する
信号機の台座の底面には、設定用のディップスイッチがあります。
工場出荷時にはDCCモードに設定されていますので、メルクリンモードに切り替えます。
信号機がレールや電源などに何も繋がれていないことを確認します。
ディップスイッチの操作は、必ず信号機に給電されていない状態で行ってください。
ディップスイッチの10番をOFFにします。
スイッチは非常に小さいので、精密ドライバーや先の細いピンなどを使用して、慎重に切り替えてください。
ディップスイッチの10番はONにするとDCCモード、OFFにするとメルクリンモード(fx/mfx共通)になります。
メルクリンで使用する場合には、10番はOFFにしてください。
mfx信号機をCS2で使用する(=mfxモードで使用する)場合には、ディップスイッチによるアドレスの設定は必要ありません。
アドレスはCS2が自動で設定してくれますし、キーボード画面で自分の好きなアドレスに割り当てることも出来ます。
1番から9番のディップスイッチは、DCCやfxで使用する場合のアドレス設定のためのものですが、ここは何番に設定されていても構いません。
mfx信号機をCS2で認識させる
赤茶リード線を、信号機の台座にある2線コネクターに接続します。
信号機の台座のコネクターは、右側から、2線、3線、3線の順番になっています。赤茶リード線は2線のコネクターにしか挿さらないようになっていますが、間違えないように注意してください。
赤茶線の先の端子を、プログラムトラックのレールに接続してください。
本線のレールではなく、必ずプログラムトラックに繋いでください。
プログラムトラックには認識させる信号機を1つだけ接続して、他の機関車を乗せたり、複数の信号機を繋がないようにしてください。
CS2のkeyboard画面を表示させます。
スパナマークをタッチして、設定画面に入ります。
下にある「mfx」マークをタッチします。
画面にバーが表示されて、CS2が自動で信号機を検出します。
検出には少し時間がかかりますので、終わるまでそのまま待っていてください。
正常に検出されると、キーボードの空いているスロットのうち、一番アドレス番号が小さいスロットに「m」のマークが付いた信号機が自動で登録されます。
アドレスは後から自分で好きな位置に簡単に移動させることも出来ます。
緑色のチェックをタッチします。
これで信号機が使えるようになりました。
アイコンをタッチして、信号機が正しく切り替わることを確認してください。
アドレスが重複してしまった場合には?
通常の自動認識では発生しにくいのですが、万が一、すでに他のアクセサリーが設定されているアドレスに重複して登録しようとした場合や、自分で明示的に重複しているアドレスを設定してしまった場合には、上書き防止のために確認ダイアログが表示されます。
この場合には、以下の3つから動作を選択できます。
1つ目の「replace exisitng accessory with new mfx item」で、既存のアイテムを置き換えて、新しいmfx信号機を登録します。
2つ目(初期値)の「assign mfx item new address」で、アドレスを別途指定して、そのアドレスに登録し直します。
3つ目の「do not use new mfx item」では、既存の設定をそのまま活かして、mfx信号機は登録しません。
正常に認識しない場合には?
通常は、mfx信号機は自動で認識されるのはずなのですが、たまに認識に失敗して、「m」マークが付いた信号機が登録されない場合があるようです。 私も実際に何回かそういう現象が発生しました。
この場合には、以下の操作を行うことで、正常に登録されるようになります。
(1)CS2を最新の状態にアップデートする。
mfx信号機の自動認識機能は、CS2のソフトウェアバージョンが4.0.1以降でないと使用できません。
バージョンが古い場合には、CS2のソフトウェアアップデートを行ってください。
また、バージョン4.0.1であっても認識に失敗する場合があります。これは、バージョン4.0.1自体が、2015年8月12日頃更新されているバージョンの後に、8月17日頃にも、もう一度バージョンアップしているためです。
CS2の個体差によっては、8月12日頃の4.0.1では認識しない場合があるのではないかと思います(実際に私のCS2ではそういう現象が発生しました)ので、4.0.1の人でも、もう一度確認のためにアップデートを行ってください。
(2)CS2をリブートして、もう一度最初から操作をやり直す。
理由はわかりませんが、うまく認識してくれない場合や、設定時に画面表示が崩れてしまうことがありました。
この場合には、CS2を再起動して、もう一度最初から操作し直してください。
何回かチャレンジしていると認識してくれると思います。
mfx信号機を設定する
アドレス(キーボード画面の設置位置)の変更
自動認識されたmfx信号機は、いつでも簡単にアドレスの変更ができます。
信号機底面のディップスイッチを変更する必要はありません。mfxモード(mの付いたアイコン)で認識している時にはディップスイッチを変えなくても、画面から配置変換をすることができます。
keyboard画面でスパナマークをタッチして、設定画面に入ります。
設定を変更したい信号機のアイコンをタッチします。
Address欄をタッチします。
設定できるアドレス番号(=他のアクセサリーが使用していない番号)がリスト表示されますので、新しく設定したいアドレスを選択します。
緑色のチェックマークを押して、設定を反映します。
新しいアドレスに切り替わり、キーボードスロットの位置も変更されます。
信号機の動作を変更する
信号機によっては、動作設定を変えることが出来ます。
例えば、この70411 腕木式信号機では、腕木の動作速度と揺れ方、灯火の明るさなどを調整することが出来ます。
keyboard画面でスパナマークをタッチして、設定画面に入ります。
設定を変更したい信号機のアイコンをタッチします。
「CV Access」のアイコンをタッチします。
初回は警告ダイアログが表示されますので、内容を確認した上で、緑色のチェックを押してください。
また、場合によっては、図のようなダイアログが表示される場合があります。
この時にはバッググラウンドで信号機が処理中の状態で、まだ設定を変更することができません。
少し(数十秒~1分程度)待ってから、再度、CV Accessアイコンをタッチしてください。
信号機のCVデータが読み込まれます。
しばらく時間がかかりますので、終了するまで待っていてください。
下のような画面になれば、読み込み完了です。
ごく稀にですが、この画面表示が崩れる場合があります。その場合には、CS2を再起動してから、再度同じ操作を行ってください。
非常にわかりにくいのですが、下の文字が重なっている部分が、実はタッチして切り替えることが出来ます。
右の文字の部分をタッチします。
設定の2画面目に表示が切り替わります。
この信号機では、以下の設定を行うことが出来ます。
※信号機により設定できる内容は異なります。
Bewegungsmuster:腕木の動作設定
LED-PWM:灯火の明るさ
Offset1:1番目の腕木の位置の微調整
Offset2:2番目の位置の位置の微調整
Bewegungsmuster:腕木の動作設定は、腕木の速度を中速、高速から選択できます。
また、動いた後に反動でバウンドするかどうかを設定できます。
わかりにくいので具体的な動きについては、動画でご覧ください。
LED-PWM:灯火の明るさは、1から15までの数値で調整します。
Offset:腕木の位置の微調整は、腕木が止まっている位置(斜めの時の傾き)を微調整できます。
2本の腕木がある場合には、2本の位置を微妙にずらすこともできますし、ぴったりと角度を揃えることも出来ます。
1から255までの数値で設定しますが、極端な設定をすると腕木の動きがかなりおかしくなるので、5くらいずつ変えながら様子を見て調整してください。
信号機をレイアウトに設置する
信号機をレイアウトに設置します。
信号機の台座に赤2本のリード線を追加で差し込みます。
台座に付いている3つのコネクターのうち、中央のコネクターに差し込んでください。
信号機を取り付ける位置のCトラックに、固定用パーツを取り付けます。
線路の下側にひっかけるだけですので簡単です。
固定用パーツに信号機を取り付けます。
信号機底面の穴と固定用パーツの突起の位置を合わせて差し込み、横にスライドさせると固定されます。
図のように配線を接続します。
信号機をレイアウト図に登録する
設置した信号機はレイアウト図にも登録しておきます。
信号機ではどの列車でも必ず赤で止められて、青で発車も出来るので、いままで設置していたメモリーのルートは削除しても良いでしょう。
レイアウト図の信号機アイコンにタッチすると、信号機を赤と青の2種類に切り替えることが出来ます。
信号機は赤の時だけ停車する
列車の運転において意味がある信号は、赤と「それ以外(黄色や青など)」の2種類だけです。
信号機の種類によっては赤と青以外に、黄色や複雑なパターンを表示できるものがあります。
これらのパターンを明示的に表示するには、キーボードのスイッチパネルを使います。
赤の時には列車は止まり、それ以外の時にはそのまま通過します。黄色信号が表示されているからといって列車は自動的に速度を落としたりはしないので、黄色信号で速度を落としたい時には別途メモリーで減速命令を作成しておいてください。