PC版CS2ソフトウェアの使い方

起動と終了

プログラムの起動

PC版のCS2を起動する前に、CS2の実機を起動して、正しくネットワークに接続してください。

先にPC版を起動してしまうと、CS2本体が検出できず、デモモードで動作してしまいます。
デモモードでは、自分のレイアウトの列車は操作できません。

スタートメニュー(またはスタート画面)の「Maerklin」というプログラムグループの中に「CS2」というアイコンがあります。
クリックすると、PC版のCS2が起動します。

初回起動時の設定

初回起動時のみ、PC版CS2が使用するファイルを保存するフォルダーを選択する画面が表示されます。

どのフォルダーを選択しても良いですが、たくさんのファイルが作成されますので、専用のフォルダーを作成してください。
デスクトップなどを指定すると大変なことになるので、必ず専用のフォルダーを作るようにしてください。
例えば、ドキュメントの中に「cs2」などというフォルダーを作って、そこを指定します。

PC版のCS2で使用するアイコン画像、壁紙画像、音声ファイルなどは、この新しく設定したフォルダーの中に保存する必要があります。

言語の設定

フォルダーの設定が終わると、PC版のCS2が起動します。
言語設定のダイアログが表示されますので、「en」(英語)を選択してください。

2014年12月14日現在、この画面で「ja」(日本語)を選択しても、PC版のCS2は日本語表示にはなりません。
「ja」を選択してしまうと、ほとんどの表示がドイツ語になってしまうので、ドイツ語がわかる方以外は「ja」は選択しない方が良いです。

画面左下のチェックボックスにチェックを入れると、次回起動時からこの画面は表示されなくなります。
言語設定はsetupからいつでも設定変更できますので、毎回選択するのが面倒な人はチェックを入れた方が良いでしょう。

言語設定の画面が表示されている間に、何度か通信画面が表示されることがありますが、CS2本体とデータを同期しているためのものですので、そのまま何もしなくて良いです。
CS2本体とのデータ同期には2分程度かかる場合があります。同期はバックグラウンドで自動的に行われますので、そのまま操作しても問題ありません。

デモモードで起動してしまった時には

プログラムの起動時にCS2本体が検出できないと、下のようなダイアログが表示されます。

このダイアログが表示されてしまったら、PC版のCS2はデモモードで動作していますので、レイアウトを操作することは出来ません。
通信の設定などを確認してから、CS2本体を再起動して、もう一度試してみてください。

ネットワークに正しく接続されているのに、どうしてもCS2本体を検出できない場合には、パソコンのセキュリティーソフトで通信が遮断されている可能性があります。
セキュリティーソフトやWindowsファイヤーウォールで、PC版CS2が送受信するプロトコルはすべて許可するように設定してください。
よくわからないという時には、一度セキュリティーソフトを無効にしてから試してみるのも手です。

CS2本体(実機)の列車を呼び出す

PC版のCS2が起動すると、CS2本体と同じ列車のコントロール画面が表示されます。
以下、このウインドウのことをメインウイドウと呼びます。

最初は下の画面のように、何の列車も選択されていない状態で表示されますが、これで問題ありません。
PC版CS2は、本体とは別のもう1台のCS2(子機)ですので、本体とは別に列車を呼び出すことが出来るからです。
本体のCS2の画面をパソコンに転送(コピー表示)しているわけではありません。実機は実機で1台のCS2、パソコンはパソコンでもう1台別のCS2です。ただし、どちらも同じレイアウトに繋がっていますので、どちらからでも操作することが出来ます。
PC版のCS2を操作する時には、この概念を忘れないようにしてください。

2回目以降の起動時には、前回のPC版CS2で使っていた状態が復元されます。

正しく動作していることを確認するため、「New Locomotive」のアイコンをタッチ(クリック)して、新規に列車を呼び出します。

実機のCS2に登録されている列車リストが表示されます。
これできちんと同期していることが確認できました。

呼び出した列車をパソコンで操作してみてください。
実機のCS2と同じように運転できれば問題なく動作しています。

プログラムを終了する

メインウインドウの右上の閉じるボタンを押すと、PC版CS2は終了します。
または、パソコンのハーボードの「Q」キーを押します。

終了すると、実機のCS2はSTOPボタンが押された状態になり、レイアウトは緊急停止します。 どんなにたくさんのウインドウを開いていても、メインウインドウを閉じると、開かれているすべてのウインドウが全部閉じて、プログラムは終了し、STOPがかかります。
他のウインドウと異なり、メインウインドウは1枚しか開けませんので、間違って閉じないように注意してください。

PC版CS2の使い方

ウインドウの使い方

PC版CS2では、実機のCS2と同じように1枚のウインドウ内(=1画面)で表示を切り替えて使うことも出来ますし、複数のウインドウを同時に開いて、多数の情報と機能を画面に並べて表示することもできます。

画面のサイズが小さいデバイス(タブレットや低解像度のディスプレイのパソコンなど)では、単一ウインドウで、実機のCS2と同様の使い方をする方が便利かもしれません。
画面の解像度が十分に広いディスプレイのデバイスや、マルチディスプレイの環境では、複数のウインドウを開いて並べると便利です。
例えば、メモリーやキーボードはすべてのスイッチを表示させておくことが出来ますし、列車のコントローラーも何個も並べておくことが出来ます。

ウインドウの開き方ですが、メインウインドウのボタンによって変わります。
メインウインドウにコントロール画面を表示している場合には、keyboard、layout、memoryの各タブをクリックすると、別ウインドウで開きます。ウイドウはボタンをクリックする度に何枚も開くことが出来ます。

ただしこの場合、開いた別ウインドウ内で、各機能の設定(スパナマーク)を行うことは出来ません。設定はメインウインドウ内でしか使えない機能です。
コントロール画面からボタンを押すと別ウインドウで開く

対して、メインウインドウのsetupタブを一度クリックしてから、keyboard、layout、memoryの各タブをクリックすると、同じメインウインドウ内で画面が切り替わります。実機のCS2と同じ状態です。
メインウインドウ内では、スパナマークで設定機能を使用することが出来ます。

列車のコントロールを別ウインドウで開きたい場合には、速度計の下にある運転席アイコンをクリックします。
運転席アイコンは、PC版のCS2では、mfx+ではない列車でも表示されます。

別ウインドウで開いたコントロール画面から、別の列車を呼び出すことはできません。
メインウインドウで列車を呼び出してから、コントロール画面を追加してください。

基本操作は実機CS2と同じ

操作は実機のCS2と同じです。

STOP(緊急停止)ボタンは画面内にはありません。パソコンのキーボードの「G」キーを押します(Goの意味だと思います)。
押す度に、STOPと解除(Go)が切り替わります。

mfx+の運転席や設定、レイアウト図の作成、メモリールートの作成など、すべての操作を実行することができます。

ウインドウは基本的にはすべてサイズ固定です。拡大縮小や形を変えることは出来ません。
ただし、別ウインドウに表示したレイアウト画面だけは、一見サイズ変更できないように見えますが、実は好きな大きさに変更できます。
ウインドウ枠にマウスをあててもマウスカーソルの形は変わりませんが、サイズを変えることは出来ます。

CS2本体と同期する機能を選択する

子機側のCS2では、親機側のCS2本体と同期する機能を個別に設定できます。
これはPC版CS2でも使用することが出来ます。

setupの設定画面(スパナマーク)に切り替えて、CS2画面を表示します。
PC版のCS2は、実機のCS2本体を親機とした子機なので、Partner-CS2に実機のCS2とIPアドレスが表示されていて、Auxiliary Deviceの枠にチェックが入っています。
その下にある「Sync with Master CS2」で同期する機能が選択できます。

チェックが入っている機能は同期します。
チェックを外すと同期せず、このCS2だけで個別に動作するようになります。
試しに「mem.」(メモリー機能)のチェックを外して非同期にしてみます。

すると、PC版CS2のメモリー画面が初期化されて、本体のCS2の内容とは別の内容が表示されます。
これでPC版のCS2には、本体とは別のメモリールートを設定できるようになりました。
本体のA1とPC版CS2のA1は、それぞれ別の内容を記述できるので、メモリースロットが増えたことになります。

メモリーやキーボードの数が足りない(そういう場合があるかどうかは別として)、本体とは別のルートを設定したいという場合には、便利な機能です。

キーボードを使った操作

パソコンのキーボードを使って、一部の運転機能を操作することが出来ます。

「G」キー

CS2のSTOP(緊急停止)ボタンとして機能します。
一度押す度に、STOPと解除が切り替わります。

「F1」~「F8」キー(ファンクションキーのF1~F8)

左側スロットの列車のファンクションF0~F7をオンオフします。
※F8以降の機能(9個目から16個目のファンクション)についてはキーボードには割り当てがないので、キーボード操作はできません。

「F9」~「F16」キー(ファンクションキーのF9~F16)

右側スロットの列車のファンクションF0~F7をオンオフします。
※F8以降の機能(9個目から16個目のファンクション)についてはキーボードには割り当てがないので、キーボード操作はできません。
F13キー以降のキーがないキーボードも多いと思います。その場合は、パソコンによってはSHIFTキーなどを同時押しすることで、F13以降のキー入力が出来る場合もありますが、できないパソコンでは、物理的にないファンクションキーの操作はできません。キーボードのコードを送出できるソフトウェアなどを別途利用して、何かのキーにF13キー以降のファンクションキーを割り当てれば、F13以降がないキーボードでも操作可能になります。

「A」キーと「L」キー

「A」キーが左側スロットの列車の機関車ボタン、「L」キーが右側スロットの列車の機関車ボタンに割り当てられています。

マウス等のホイールスクロール

マウスやタッチパッドのホイールスクロール機能で、列車の速度計を動かして速度を変更することが出来ます。
普通にスクロールさせると右側スロットの列車の速度計を、ctrlキーを押しながらスクロールさせると左側スロットの列車の速度計を、操作できます。
※シャトルトレイン中にこの操作をすると、シャトルトレインの設定を維持したままで、一時的に速度を変更させることが出来ます。

「Q」キー

PC版CS2を終了します。

PC版CS2の各種設定

アイコンや壁紙の追加と設定

壁紙やアイコンで独自に追加したデータは、PC版CS2では実機のCS2本体とは別に追加、設定する必要があります(もう1台の別のCS2なので)。
本体のCS2に追加していても、自動的には反映されないので注意してください。

PC版CS2に追加するデータは、それぞれ以下のフォルダーにコピーしてください。
ファイル形式と条件は、実機のCS2に準拠します。
例えば、壁紙はpng形式でファイルサイズ300KB以下です。

《データ格納フォルダー》
アイコンデータは、初回起動時に設定したフォルダーの中の「icons」フォルダー。
壁紙データは、初回起動時に設定したフォルダーの中の「motive」フォルダー。
音声データは、初回起動時に設定したフォルダーの中の「wave」フォルダー。

試しに、独自の壁紙を設定してみます。
station.pngという壁紙ファイルを「motive」にコピーしてから、メインウインドウのsetupでスパナマークをクリックして、Background画面を開きます。
選択肢に「station」が増えていることが分かります。

壁紙が変わりました。
※私が撮影したドイツのハンブルグ駅です。

音声データについて

私が確認した範囲内では、音声データのみ、実機のCS2よりもPCの方が処理能力が高く、高音質で大きなサイズのファイルを再生することが出来るようです。
※私の環境では16bit、44KHz、3分間のオーディオでも、15分以上連続再生できました。

また、PC版CS2で再生した音声は、そのままパソコンのオーディオ出力から再生されます。
このため、音声再生はPC版CS2に担当させると、より高音質で複雑な再生が可能になります。
例えば、駅のセンサーをトリガーとして、シャトルは実機のメモリーに設定し、駅のアナウンスはPC版のメモリーに設定するなどの役割分担です。

ただし、PC版CS2でも音声再生中に何かの操作をすると、音声が途切れます。
大きなファイルを再生させる時には、再生専用として割り切って、運転は別のPCか本体で行うと良いでしょう。

文字入力について

PC版CS2では、文字の入力にパソコンのキーボードがそのまま使えます。

日本語入力システムが使用できる環境では、日本語文字列も入力できます。
日本語文字列を入力した場合、PC版CS2では言語設定は関係ありません。英語表示でも表示できます。

ただし、日本語文字列で登録したデータを、実機のCS2本体で表示した時には、言語が「ja」でないと表示されませんので注意してください。
これはどちらかというと、メルクリンではなく日本型のDCCでCS2を使っている人には便利な機能かもしれません。

列車の名前はメモリーでの自動運転に多大な影響があるので、既に登録している列車をむやみに名称変更することは大変危険です(メモリーでは列車を名前で識別しているため)。
設定していたメモリーが使えなくなったり、最悪の場合メモリーの内容が消去されてしまうこともあります。
テストする場合には、実在しない列車を登録して試すなどして、不必要な名称変更はしないでください。