STOPを解除したら自動運転の動きがおかしくなった

自動運転中に緊急停止(STOPボタン)を押して、全列車を停車させた。
その後、再度STOPボタンを押して復帰したら、勝手にポイントが切り替わったり、列車の向きが変わってしまい、自動運転がおかしくなってしまう。
シャトルの進行方向が反対に向いてしまう。

この問題は、現行のS88、L88を使っている人は発生しません。
CS3であっても、旧型のS88を使用している人は確認が必要です。

センサーの上ではSTOPしないようにするか、初期化するルートを作成して登録する

これは非常に説明がややこしいのですが、結論から言うと、センサー(特にコンタクトセンサー)の上に列車が止まったままの状態でSTOPを押したり解除すると、メモリーの設定状況によっては、メモリーを重複実行してしまい正しく復帰できないケースがあります。
これは不具合ではなく、CS2の動作仕様です。そういう動きをするものだと思って利用してください。

対策としては、これが『発生する人は』、センサーに乗っている状態(コンタクト)、または、センサーを通過中でオンまたはオフに切り替えた状態(サーキット、マグネット)では、極力STOPを押さないようにしてください。
わざわざ『発生する人は』と、書いたのは、メモリーの書き方や設定方法、またはCS2のロットやソフトウエアのバージョンによっては発生しないケースもあるからです。どういうときになるのかは、詳細は後述しますが、自分が持っているCS2の特性によります。
個性とか癖のようなもので、不具合や故障ではありません。交換しても『個体によって個性が違うこと』はCS2である以上同じです。そういう機械なのです。

発生してしまう場合にも、適当な命令を出しているのではなく、STOPを押して解除した際に、一度センサーがオンオフを再認識するだけですので、そのセンサーをトリガーにしているメモリーに書かれている内容を再実行しているだけです。
STOPを押したら、自動運転を適切に再開できる状態にレイアウトを戻す、初期化のためのルートをひとつ作成しておき、それを実行してから再度、自動運転を継続するのもありです。

どうしてこういう現象が発生するのか?

かなり難しい説明になってしまうので、わからない人は読み飛ばしてけっこうです。

この症状の直接的な原因は、STOPを押した時に、レイアウト上のすべての給電が停止するために、センサーの反応を見ているS88(旧型)への給電も一時的に遮断されて、列車がセンサー上に止まったままなのに、いったんセンサーがオフの状態になってしまうことです。
再度STOPで給電を再開すると、列車がセンサー上にいるので、再びオンになります。
そのために、CS2は、当該のセンサーが一度オフになって、再びオンになったと認識して、メモリーを再実行するのです。

例えば『センサー1がオンなった時に、信号機Aを赤にする』というルートがあったとします。
トリガーであるセンサー1の上に列車が停車中のままの時に、STOPを押すと、センサー1はオフになります。そして再度STOPを押した時に、センサー1はオンになります。
この時に、もう一度このルートが実行される条件が満たされたことになりますので、信号機に対して赤になる命令が再実行されます。

この例のルートの書き方では、もともと赤信号で止まっている列車に対して、再度赤信号が送信されるだけなので、見た目上は問題は発生しません。正常に自動運転を続けることが出来ます。

ところが、コンタクトセンサー1でシャトルするという設定をしている場合に、列車がコンタクト1の上で、ちょうど反転したばかりで、まだコンタクト区間から出きっていない時に、STOPを押したとします。
すると、コンタクト1は一度オフになってから、オンに戻りますので、シャトルの反転が再度実行されてしまいます。
このため解除後には列車は反対方向に走り出してしまうのです。

S88(旧型)に茶線が必要なCS2では発生しにくいが、逆にm84を使用する際には外部電源が必要になる

この問題はL88と現行のS88では発生しません。

この現象ですが、CS2の特性によって、発生しやすい個体とそうでない個体があります。
S88(旧型)に茶線の接続が必要ではないCS2では、STOPを押すと、センサーは確実にオフになってオンになります。
しかし、S88(旧型)に茶線の接続が必要なCS2では、STOPを押してもセンサーがオフにならずに状態を維持し続けるケースもあります。

さらに比較的新しいCS2では、S88(旧型)に対して、茶線を差しても差さなくても、どちらでも正常動作するタイプもあるようです。
またCS2のソフトウェアのバージョンによっても動作が微妙に異なります。

では、S88(旧型)に茶線の接続が必要なCS2が良いのかというと、一概にそうとも言えません。
茶線不要のCS2では、必ずこの動作を起こすので、逆にそういうものだと理解すれば対応はしやすいです。
茶線が必要なCS2では、自分で確認して対応する必要がありますし、実は、m84デコーダーを使用する場合には、外部電源を使わないと、動作が茶線不要のCS2と同じ状態に切り替わってしまうことを確認しています。
ですので、茶線が必要なCS2の人が、m84を使用する場合には外部電源を繋いだ方が安全だということになります。
茶線不要のCS2では、もともとの動作が一定なので、m84に外部電源を差しても差さなくても動作結果は同じです(2014年7月現在:すべて実機で検証しています)。
要するに、個体差であって、どのようなCS2でも一長一短があるということなのです。

極めて個人的な意見ですが、まだ現在はこの部分は過渡期ではないかと想像しています。
後継機器である現行のS88、L88では、きちんと回避できるようになっています。

端的に言うと、いまは、もしSTOP解除後に動作がおかしくなったら、自動運転を最初からやり直せばいいだけのことです。