フィーダー線を2mに1カ所配線する
結論から言いますと、HOの場合でブースターや追加トランスが必要になるのは、よっぽどかなり大きなレイアウトの場合のみです。
普通の家庭に設置するようなレイアウトでは、CS2は1台で十分です。
60215 CS2は最大5Aも出せます。もしこれで電力が足りないということであれば、電気代も気にしなければならないような巨大なレイアウトということになります。
何部屋もぶち抜いてレイアウトを作っているとか、倉庫に大型のレイアウトを作っているという人を除いて、普通の住宅の1部屋とかガレージとかであれば、トランスやブースターを検討する前に、まず以下のことを試してみてください。
1番ゲージの場合は話が別です。
1番ゲージをされている方で複数の列車をたくさん走らせると、本当に足りないときがあります。
※もともと60215の5Aという数値は1番ゲージを想定しているもので、HOでは出力過多です。
まずはこちらの動画をご覧ください
CS2の出力電力を確認する
CS2のsetupのinformation画面で出力電力を確認してください。
ここが5A(60213と60214のCS2は3A)行っていないのに、足りないと感じたり、動作不良するのはおそらく別の原因です。
CS2の出力端子が間違っていませんか?
まず確認していただきたいのは、プログラムトラックに本線のフィーダーを差していないか?どうかです。
これ意外とみなさんやってます。
私もやったことがありますし、友達も何人かしてました。恥ずかしがらなくても、実はみんなやっているので安心して、差し直してください。
CS2の背面コネクターには、本線用とプログラムトラック用の2つの端子があります。
本線用は最大出力まで出せますが、プログラム用は1A程度しか出ません。
もともとプログラムトラックは短くて、列車も1台しか乗せないからです。
本線用の端子にフィーダーを差し直せば、それだけで直ります。
フィーダー線を分岐させる
本線用の端子を使っている場合には、CS2のその端子から出ているフィーダー線を、そのまま何本にも分岐してレイアウトの別々の場所にたくさん差し込みます。
デジタルの鉄道模型では電力と同じように、信号が正しく送られることが大事です。
フィーダー線とレールは電力だけでなく、命令信号も送っています。
電力は届いていても、信号はデリケートで様々な要因で減衰します。
列車が通過するだけで電圧は下がりますし、ソレノイドやデコーダーが多い場所でも減衰します。
各デコーダーが信号を正しく受信できるようにするために、フィーダー線をレイアウトのたくさんの場所に直接引くのです。
レールと違ってリード線の中では減衰は少なく、太いリード線を使えばかなりしっかりと信号は届きます。
ポイントが集中している場所や、ライトが多い場所などには、フィーダー線を近くにたくさん配線すると良いでしょう。
メルクリンでは、2mに1カ所のフィーダー線を推奨しているようです。実際にはそれほど細かくする必要はありませんが、気になる場所にはなるべく近くにフィーダー線を入れた方がいいです。
フィーダー線を分岐させる分岐器は、純正からもサードパーティーからも発売されていますので、簡単にいくつも分岐させることが出来ます。
私はviessmannというメーカーの分配器を使っています。
ちなみに、デジタルでは架線集電をしないように書かれている原因も、このデジタル信号です。
架線集電をすると本当にパンタグラフの1カ所だけが接触することになりますので、離線するときもあり、信号を正しく受け取れない場合があるからです。
それに実際に架線から集電しなくても、パタングラフはちゃんと接触しますから、それなりにリアルです。
信号機は直接配線する
信号機だけが正しく動作しない場合には、信号機へはレールから配線するのではなく、直接リード線で配線してください。
この問題は実は頻発します。特にデジタル信号機は、レイアウトが大きくなると高確率で発生します。
メルクリンからは今後、mfxデコーダー搭載の信号機が発売される予定ですので、徐々に改善はされていくと思います。
万全を期すなら、リング配線でセクションごとに絶縁する
大型レイアウトなどで万全を期すのなら、フィーダー線の配線は、CSから直接線路に沿って這わせていき、数メートルごとにレールを赤(B)、茶(0)ともに絶縁して、その区間ごとに這わせたフィーダー線から分岐して接続する「リング配線」がベストです。
実物の鉄道の架線などの給電に近い形態ですね。
この場合は、何かショートなどのトラブルがはあった場合にも、絶縁セクションごとに分割されているので、原因の究明がわかりやすくなります。