源氏物語・宇治十帖貨車セット

日本人なのでやっぱり和風

日本人がメルクリンを遊んでいる以上、やはり世界に誇る日本のテイストを入れてみたいとか思います。
そこで源氏物語をテーマにした貨車を作ってみました。

源氏物語は平安時代中期に成立した古典小説で、作者と言われているのは紫式部です。
伝統的で和風であるだけでなく、絵柄も綺麗で豪華絢爛。列車にプリントしたら素敵になるのではないかと考えました。

ヨーロッパでは美しいペイントの広告貨車などが実際にも走っていてセンスを感じます。
日本でも屏風絵のようなものなら、かっこよく見えるのではないかと考えました。

メルクリンからは子供向けに、付属のペンで自由に落書きが出来る白い貨車が発売されていたので、それを10両購入して車体に源氏物語を絵巻物として再現することにしました。

宇治十帖を選定した理由

まず源氏物語自体は、全部で54帖からなる長大な物語です。
これをすべて貨車にすると、車両も54両必要になり大変です。

「橋姫」から始まる最後の十帖については作者も別なのではないかなどという説もあり、お話の舞台も宇治に移るので『宇治十帖』と呼ばれています。

ゆかりの地である京都府宇治市は平等院鳳凰堂や宇治茶などで有名ですが、宇治市源氏物語ミュージアムというものもあります。
館内には平安時代の展示をはじめとして、映画も上映されていて、なかなか博物館としては立派です。
実は私は数回訪れたことがあり、普段CS2やメルクリンの車体を拭いているトレシーも、ここのミュージアムショップで販売されている源氏物語の絵柄だったします。

それから、友人のお誘いで毎年秋に行われている「宇治スタンプラリー」という健脚イベントに参加させられたこともあります。
これは1日かけて宇治市内の野山を、所定のコースに従ってスタンプラリーをしながら歩くというもので、何を思ったか日頃全く運動しない私が一番長いコースに参加してしまい大変な目に遭いました。
しかし、ゴールするとくじ引きができるのですが、そのくじを引いたところ玉露が当たりまして、まあ、なんと言いますか「悪くないな」などと思ったりして、宇治自体にはわりと思い入れがあったりします。

ということで、10両で一応まとまりをつけることが出来るというのもあって、宇治十帖の貨車セットを作ることにしました。

宇治十帖貨車について

車体には、源氏物語の絵巻物デザインと、源氏香で用いられる香の図から、各巻に該当する図をあしらっています。

絵巻物については、平安時代のものではなく、後世になって描かれたものとのことです。
こちらは良い資料がなかったので、実際に宇治市源氏物語ミュージアムに赴いて、館内の図書館で「源氏物語絵鑑帖」を実費にて購入しました。
それを元に貨車の大きさに合うようにデザインしています。

各車両とも、天井部分は共通のデザインで巻名が、日本語の漢字とひらがなで記してあります。
サイドは絵巻物になっており、物語と同じ順番に編成を繋いで走らせた場合には、見ているだけで、源氏物語宇治十帖のストーリーが次々と展開される仕組みになっています。
妻面には香の図をあしらっています。
実際の組香においては、源氏香では初巻の「桐壺」と最終巻の「夢浮橋」の図は使用されませんが、香の図としては存在するため、それをプリントしました。

宇治十帖貨車ギャラリー

動画、静止画の撮影にはアルタイル・ハーミテージを使用していますが、一部、元の貨車を購入した模型店メルクリンショップHRS様の店内レイアウトでも走行、撮影させていただきました。
ご協力いただきどうもありがとうございました。

走行シーン動画

フォトギャラリー