CS2で列車を走らせる(運転操作)

レールを敷いて接続する

それでは列車を走らせてみます。
線路は1周の円形に敷いてあれば十分です。スターターセットに付属している全部の線路を組む必要はありません。

メルクリンCトラックの特長

メルクリンのレールはCトラックとKトラックの2種類があります。
Cトラックはスターターセットなどに同梱されている、レールと道床が一体化型になっていて大変固くてしっかりした作りのレールです。少々の扱いで壊れたりすることはありませんので、安心して遊べます。

Kトラックは道床が付いていなく、レールと枕木だけの製品です。主に固定式レイアウトで実感的な情景を作り込んだりする場合に利用されていますが、私はほとんど使っていません。
このサイトでは、レールはCトラックを使用する前提で説明しています。

写真がCトラックの実物です。

レール同士の接続は、繋ぎ目を合わせてパチンとはめ込むだけです。
レールはジョイントで接続するのではなく、道床内の接続機構によって電気的にも物理的にもしっかりと繋がります。簡単にはずれたりしませんので、レールを固定しないお座敷レイアウトでも楽しめるようになっています。

メインになる直線レールは、172mmの長さのものと188mmの長さのものの2種類を使います。
この2つを繋げると360mmの直線になり、これがひとつの基本単位となります。
とは言っても、全体の長さが合っていれば繋ぎことが出来ますので、自由な形に繋いで構いません。

カーブレールは30度が基本単位です。
30度のレールを3本で90度、6本で180度(反転)、12本で360度(周回)の線路にすることが出来ます。

ほとんどのスターターセットには一番の急カーブであるR1(半径360mm)のカーブレールが付属しています。
この外側には、R2、R3、R4、R5の順番に、5種類のカーブレールで同心円状にレールを増やしていくことが出来ます。

ポイントの部分だけは特別なカーブレールがあり、24.3度のカーブで、ポイントで分岐した線路を元の線路と平行に戻すことが出来ます。

レールをはずす

レールは床に置いた状態で片方のレールを手で押さえ付けて、もう片方のレールを持ち上げると簡単に外れます。
まっすぐ引っ張ると外れないので、必ず折るようにしてはずしてください。

折る方向は、上のように床に置いた状態から谷折りにするのが一番楽ですが、左右に折り曲げても外れます。
ただし、山折り(レール面が山になる形)に折ることはできませんので、折れない方向に無理に折って壊さないように注意してください。慣れれば考えなくても普通に外せるようになります。

CS2とレールを接続する

CS2のSTOPボタンを押して、レイアウトへの給電を停止します。

フィーダー線をCS2のメイントラックへの給電コネクターに差します。
レール側はCトラック裏面の端子に接続します

赤線と茶線の配線を間違えないようにしてください。ここは重要です。
センターレール(B:アルファベットのB。Bandstromの頭文字)が赤、左右のレール(0:数字のゼロ)が茶色です。
※2023年まで『0』は『アルファベットのオー(O)』と間違えて覚えていたため、図などでオーになっている場合がありますが、ゼロが正しいです。
私は個人的にBの方を『赤いBerry(イチゴ)』と覚えています。

CS2のSTOPボタンを押して、レイアウトへの給電を再開します。
ショートしたりしていなければOKです。

列車の登録は自動認識

デジタルスターターセットやメガスターターセットに付属しているmfx列車、または列車カードが付属している列車を例としています。
それ以外の列車の認識・登録の仕方は、テクニクスコーナーの「列車の登録と削除」の項目を参照してください。

mfxデコーダー搭載列車の自動認識

STOPボタンを押して緊急停止状態にしてください。列車を線路に乗せて、緊急停止を解除します。
列車を線路に乗せる時には、車輪とセンターレールが接触してショートするのを避けるために、緊急停止状態にしてレイアウトへの給電を止めた方が良いです。
車輪の数が多い列車などはリレーラーを使うと簡単にレールに乗せられます。リレーラーは非常に安価なので1つは持っていた方がいいと思います。

mfxデコーダーを搭載している車両の場合は、STOPを解除してから、しばらく待っていると画面にバーが表示されて、自動的に列車を認識して登録されます。

バーが消えたら、スピードメーターの中にあるmfxボタンをタッチします。これでそのスロットに列車が表示されて、運転できるようになりました。

列車カードが付属している列車の認識

車両に列車カードが付属している場合には、カードをCS2のスロットに差し込むと機関車が登録されます。
カードでの登録は初回に1回だけ行えば良く、ほぼ瞬間的に登録完了します。登録が済んだら、カードはスロットから抜いてしまって問題ありません。

ヘッドライトの点灯

ますば列車のライトを点けてみましょう。ライトはほとんどの列車に標準装備されています。
ファンクションのF0の位置(端寄りの一番上)の前照灯マークをタッチします(マークは機関車によって異なります)。
列車のライトが点きました。前後を見て点灯を確認しましょう。

進行方向の切り替え

もし点いていない場合には、列車のアイコンの左右にある矢印をタッチして、進行方向を切り替えてみます。
それでもだめな場合には、再度ライトマークをタッチして確認しましょう。

列車のアイコン(???の場合もありますが問題ありません)の左右にある矢印をタッチすると、進行方向が切り替わります。
デコーダーや車両としては、右矢印が前(前進)なのですが、レイアウト上では列車がどっちに向いているのかはケースバイケースですので、実際にはやってみてどっちに走るかを目で確認した方が早いです。

出発進行!!

いよいよ発車です。
スピードメーターの好みの速度の部分(60Km/hなど)をタッチします。

列車は自動的に走り出して、指定した速度まで加速します。この時、ロケットスタートにはなりません。
列車に対して速度を指示すると、加速であっても減速であっても、列車は指示された速度まで、列車のデコーダーに設定されている加減速遅延に従って自動的に加減速します。
※列車の加減速遅延のことをABV(Anfarh und Bremse Verzügerung[ドイツ語で加速と減速遅延の意味]の頭文字)と言います。

走行サウンド付きの列車でサウンド機能をオンにしている場合には、走行サウンドと列車の動きが連動しますので、音が鳴り出してすぐに走り出しません。
車両により異なりますが、ディーゼル車両などの場合には、まずエンジンの電源が入り始動して、アイドリング状態になった後に唸りを上げながらようやく走り出します。
すぐに動かなくてもしばらく待って見ていてください。

いまの走り方に対して、もっとゆっくりと加速して欲しい、もっとゆっくりと減速して欲しいという場合には、列車ごとにABVの値を変更して調整することが出来ます。
例え現在の加減速の仕方が気に入らなくても、まずはこのまま走らせください。ABVの設定については後ほど詳しく説明します。
メルクリンでは列車を滑らかに動かそうとして、手で細かくノブを回して速度を微調整させる必要はありません。滑らかな動きは列車のデコーダーが自動で行ってくれますので、数値を調整して列車ごとに好みの状態に設定すればいいです。

列車の速度を変化させたい時にも、新たな進行速度を速度計でタッチします。
60Km/hで走っている列車を、30Km/hまで減速させたい時には、30Km/hの位置をタッチすればOKです。
いろいろな速度にタッチして、速度を変えながら走らせてみてください。

メルクリンでは、指定した速度はデコーダーが必ず維持してくれます。
フィーダー線から遠くなっても、カーブを通過しても、勾配があっても、列車は指定した速度で必ず走ります(定速制御されている)。

それでは、いったん列車を停車させましょう。
速度計でゼロを指定すると、列車は自動的に停車します。

おっと、思い通りの位置に停車させることが出来ませんでしたか。でも大丈夫です。
必ず狙った位置に停車させることが出来る方法がいくつかあります。

方法1:ゆっくり減速してから停車する

現実の列車も同じですが、速い速度から一気に減速すると、なかなか思った位置には止まりません。列車のブレーキは自動車のそれとは効き方が全然違うからです。
そこで、停車する前には段階的に速度を落としていきます。
60Km/hをいきなり0km/hにするのではなく、60Km/h→20Km/h→5Km/h→0Km/hと、順番にタッチしてみてください。
ね、思った通りに止められたでしょう。

ただし、ブレーキサウンド機能が付いている列車でブレーキ音をオンにしている場合には、この方法でゆっくり減速してから停車すると、ブレーキ音が鳴らない場合があります。
ブレーキ音はある程度の速度から一気に停車した場合に、自動的に鳴るようになっています。
※ドイツの列車は実車もかなりうるさいブレーキ音がします。

方法2:ABV(加減速遅延)をオフに切り替える

ほとんどの列車には、ABV(加減速遅延)をオフにするファンクションが付いています。通常はF4で重りのマークが表示されています。ここをタッチします。
すると、以後、列車は赤いノブダイアルを回した操作に即応する動き(遅延のないアナログ鉄道模型のような動き)をするようになります。
※定速制御は有効のままです。

列車によっては重りではなく亀マークが表示されたり、F4がABVの切替ではなく、別の機能に割り当てられている場合があります。また、MS2の画面では重りアイコンがないため亀マークが表示されますので、実際の機能は列車の説明書で確認して下さい。

方法3:センサーを取り付ける

別売りのL88、またはS88フィードバックユニットとセンサーを取り付けると、センサーの位置、または、センサーで検知してから調整した位置に、正確に列車を止めることが出来るようになります。

方法4:信号機を取り付ける

別売りの信号機を購入してレイアウトに取り付けると、信号機を赤にするだけで、列車は信号機の手前で必ず自動的に停車するようになります。

センサーや信号機はどの列車に対しても有効で、速度指示は変更する必要がないので、最も確実で簡単な方法ですが、設備を買う追加投資が必要になります。
レイアウトが大きくなってきた時に購入すると良いでしょう。