Rocrail FAQ

Rocrailに関するFAQ(よくある質問と回答)です。

随時、更新していきます。
私が質問されたことや気が付いたことがあった追加します。

2024.12.16
BBTの調整方法を解説した動画をアップしました

利用前の質問

パソコンはWindowsがいいの?Linuxがいいの?

どちらでもいいです。

個人的には以下の理由からLinuxをおすすめします。

  • OSが軽く、Rocrailと相性が良い
  • 他のアプリが余計なことをしない
  • パソコンの性能が低くても動作するので、中古や型落ちしたパソコンや、安いパソコンでも動作する

一方でLinuxは導入が難しいという大きな課題もあります。

Linux搭載のパソコンはほとんど販売されておらず、自分でインストールする必要があります。
Linuxやパソコンに詳しくない人が、使えるようにすることができるかというと、非常に難しいと言わざるを得ません。

2024年現在、WindowsパソコンにLinuxをインストールして、同時に起動できるようにする(デュアルブート)はかなり知識と技術が必要で難しくなっています。
可能ではありますが、素人が簡単にできるものではなく、トラブルになった時にも非常に苦労する可能性があるので、「できる」と書かれている情報も多いですが、安易にやらない方が良いです。
リスクもあるため、Linux専用に1台パソコンを用意することを、強くお勧めします。

また、Linuxには多くの種類(ディストリビューション)があります。

Linuxという1種類のOSがあるではないです。
Windowsはバージョンの差しかありませんが、Linuxは「Linuxと呼ばれるたくさんの別の製品がある」のです。
Androidスマートフォンと似ています。同じ「Android」という名前が付いていても、メーカーごとに見た目や操作はそれぞれ違います。

有名なものだけでも「Red hat」「Ubuntu」「Fedora」などいくつもありますが、初心者の人はこれらのディストリビューションは選ばない方がいいです。
これらの製品は「わかっている人向け」です。インストールしても、自分でいろいろと設定しないと、細かい部分で使えない、操作が分からないといったことが発生する場合があります。

個人的には、鉄道模型用にRocrailを使うだけなら「Linux Mint」をおすすめします。

Windowsに操作感が近く、日本語も初期状態でセットアップされるため、Rocrailをインストールするだけで使えます。
エディションが「Cinnamon」「Xfce」「MATE」3つありますが、どれでも大丈夫です。

英語に不安がある・わからない

大丈夫です。

もちろん英語をわかった方が良いですが、得意でなくても、ブラウザーの翻訳機能やスマートフォンの翻訳アプリを使えばわかる英語です。

しかし、どちらかというと、英語よりもヨーロッパの鉄道とデジタル鉄道模型の知識を知っていた方が良いです。

言葉の意味が特殊で、鉄道の専門用語、鉄道模型の専門用語があるため、言語よりもそちらを学習してください。

翻訳機能を利用する場合、「分岐器(turnout, switch)」は確実に正しく訳されませんので注意してください。
「投票率」などと訳されている言葉が「分岐器(ポイント)」のことです。

鉄道模型を自動運転するのに必要なものは?Rocrailだけでいいの?

Rocrailだけではだめです。
他にコマンドステーションとセンサー、フィートバックモジュールが必要です。

Rocrailで運転するには、最低限、以下の機器が必要です。
もちろん走らせる機関車も必要です。

【必要なもの】
Rocaril
コマンドステーション(CS2、CS3など)
センサー(コンタクトレールなど)
フィードバックモジュール(S88など)

【不要なもの】
信号機
ブレーキモジュール
など

Rocrailは「運転アプリ」であり、運転機能の部分しかありません。
ですので、実際にレイアウトに命令を送信するコマンドステーションが別途必要になります。

メルクリンユーザーはCS2、CS3がそのまま使えます。
接続はWiFiで接続しますので、本体とWiFiルーターがあれば、Rocrailを利用できます。

Rocrailは多数のコマンドステーションに対応していますが、入手のしやすさ、メーカーの信頼性、コマンドステーションの性能等から、個人的は、CS2、CS3、Z21がおすすめです。

また、自動運転にはセンサーが必須になります。

センサーは3線式の方はコンタクトセンサー、2線式の方はコンダクターセンサーを、強くお勧めします。

どちらも、線路の片側のレールを絶縁するだけで、どの線路、どの区間でも自由にセンサーにすることが出来ます。
機械的な可動部もないですし、特殊な機器を取り付ける必要もありません。
各メーカーからも対応できる線路が発売されています。
センシング性能も確実なので、性能面でも、コスパ面でも、事実上これ一択だと思います。

これ以外のセンサー(サーキット、マグネット、フォトレジスターなど)はなんらかの理由がない限りは極力避けた方がいいです。
まずは、コンタクト、コンダクターで遊んでみて、どうしても他のセンサーでないとできないとなった場合のみ、他のセンサーを使用すると良いと思います。

線路の加工や設置、配線の分かりやすさは、2線式の線路の方が簡単です。

センサーの設置に不安がある方は、2線式の鉄道模型から始めることをおすすめします。
特にNの場合には、日本のNゲージ用のKATOユニトラックを使えば、道具は不要で非常に簡単に、自由な区間にセンサーを作り出すことが出来ます。

私が実際に行った作業時間で比較すると、3線式のコンタクトセンサーと、2線式のコンダクターセンサーでは、3線式のコンタクトセンサーの設置と配線は、2線式の約4倍時間がかかりました。
私は3線式のコンタクトセンサーには非常に慣れています。慣れていても、そのくらいの差があります。
3線式のコンタクトセンサーを利用する人は、下の動画を見て、確実に同じ作業を行って、正確なセンサーを作る必要があります。

メルクリンから発売されている3線式HO用のコンタクトレールは、それを買っただけではセンサーを作ることは出来ません。
コンタクトレール以外に、必ず、工具を使ったCトラックの加工が必要になります。
同じメルクリンでも、2線式用のMiniTrixの「絶縁レール(14982)」などであれば、無加工でそのままセンサーにできます。

フィードバックモジュールはセンサーの検知をコマンドステーションに伝える機器です。

メルクリンの場合には、3線式の鉄道模型には、L88、または、S88ACを使います。
2線式の鉄道模型には、S88DCを使います。

(Plusではない)ノーマルのCS3を使っている人は、2線式のS88DCは直接接続できませんので、必ずL88が必要です。
2線式で遊ぶ人はCS3 Plusを買った方が良いです。

Z21システムの場合には、DETECTOR x16、DETECTOR Railcom(X8)を使います。
特にRailcomを使う理由がなければ、x16でも十分です。

Rocrailを使うには多数のセンサーが必要になりますので、フィードバックモジュールも1個では足りない場合があります。
価格と端子数、やりたい運転などに合わせて選んでください。

【実際の組み合わせ例】
《3線式の鉄道模型》
Rocrail + CS3 Plus + S88AC
Rocrail + CS3(無印) + L88
Rocrail + CS2 + S88(旧型)
Rocrail + CS2 + L88
Rocrail + CS2 + S88AC(変換ケーブル60884利用)

《2線式の鉄道模型》
Rocrail + CS3 Plus + S88DC
Rocrail + CS3(無印) + L88 + S88DC
Rocrail + CS2 + S88DC(変換ケーブル60884利用)
Rocrail + CS2 + L88 + S88DC
Rocrail + Z21 + DETECTORx16(R-bus経由)
Rocrail + Z21 + DETECTOR Railcom(x8)(CAN経由)
など

※MiniTrixの「コンタクトレール(14979)」(絶縁レール14982とは違う製品なので注意)を使用する場合には、2線式でも検知には「S88AC」を使います。
この場合、他にS88DCも使うのなら、ACとDCはそのまま直接カスケード接続できます。

ただ、Rocrailは、コマンドステーションなどの機器がなくても、操作と列車の自動運転の動きをバーチャルで体験することができます。
不安な人は、実際にダウンロードして、バーチャル体験で運転してみることをおすすめします。

無料で使える範囲は?課金しなくてもいい?

無料で十分問題なく使えます。

自動運転に関する機能は、無料で制限なく使えます。

課金が必要な機能は、一部のマニアックな機能のみです。

まずは無料で使ってみて、良いなと思ったら寄付(課金)してください。
寄付も高くはなく、私は機能が素晴らしいと思ったので、寄付しました。

CS3のイベントと何が違うの?

運転や設計、考え方の方向性が違います。
CS3は鉄道マニアではない、ラジコンのように電車を走らせたい人向け。
Rocrailは鉄道マニアや、本物の鉄道のように運行管理や設備設計をしたい人向け。

私が感じている一番の違いは、(特にヨーロッパの)鉄道が好きかどうか、鉄道マニアかどうか、です。

CS3は本物の鉄道の知識がなくても、走らせることが出来ます。
逆に言うと、本物の鉄道のルールや設計を無視して遊べてしまうのです。
いわば、列車であってもラジコンの自動車のように走らせることが出来るということです。

Rocrailは本物の鉄道の知識がないと、レイアウトの設計ができません。
逆に言うと、本物の鉄道ごっこが体験できる、鉄道の知識や経験則が身に付きます。
鉄道マニアなら勉強するだけでも楽しいと思いますが、鉄道に興味がない人にとっては難解に感じることもあると思います。

最も端的に違いを実感できるのは、列車の運転です。
自動運転だけでなく、手動運転でも全く異なります。

CS3は「列車の運転士の視点と感覚」で運転します。
Rocrailは「運転指令の指令員の視点と感覚」で運転します。

【CS3の運転】
・スロットルを回して列車を操作する
・ポイントや信号機は自分で切り替える(自動運転でも自分で切り替えて記録する)
・レイアウト図は描かなくても良い
・事故が起こせる、ミスをすると事故が起きる

【Rocrailの運転】
・列車の行先や発車を指示する操作で運転する
・ポイントや信号機はシステムが自動で切り替える(手動運転でも操作する必要なし)
・レイアウト図がそのまま線路設計と制御盤になるので必須
・(分岐器の機械的な不具合などがない限り)理論上は事故は起きない、事故が起こりそうな状況が検知されると自動で緊急停車する

性能面では、Rocrailの方が多数の列車を運行するのに向いています。

CS3でも性能だけをみれば、イベントで多数の列車を運転できますが、実際には、本線が複雑にクロスしていたりすると、イベントと信号機で処理するのは大変です。
また、本当に同時多発的にいろいろな列車のアクションを作るのも大変です。

CS3は5列車くらいまでの自動運転の規模に向いていると言ってもいいと思います。
機械のスペックではなく、実際に人が遊ぶ時に「快適かどうか」という操作上の体感限界が、そのくらいということです。

また、列車の動きを変更する場合には、CS3ではイベントを作り直すか、切り替える必要があります。
つまり、基本的に列車の動きの数だけイベントを作らなくてはなりません。

Rocrailは本線が複雑にクロスしていても、駅に同時に多数の列車が発着しても、絶対に事故は起きません。
すべて自動で待避、待機、行き違いなどを行ってくれるため、人間が複雑なことを考える必要はありません。

イベントを作成しなくても自動運転できるため、10以上の列車を同時多発的に運転することも簡単です。
シャトル運転や支線への分岐、ステージングヤードでの発車制御なども、非常に簡単ですので、とにかくたくさんの列車を走らせたい人には、快適な操作感で遊ぶことが出来ます。

Rocrailでは、列車の動きを変更するには、閉塞などの設定を変えるだけでできます。
列車の動きごとにイベントを作る必要がないのです(作ることもできます)。

実際にそれぞれの自動運転の様子を、動画で見てもらったほうが体感的にわかるかもしれません。

下に、CS3で行っている自動運転の動画と、Rocrailで行っている自動運転の動画を掲載します。
走っている列車の数や、レイアウトの形状、扱える鉄道模型の数などを、比較しながらご覧ください。

CS3での自動運転

Rocrailでの自動運転

ゲームで例えると、CS3は「電車でGO!」や「Train Sim World」のような運転士ゲームの延長線上にある感覚です。
Rocrailは「A列車で行こう」や「transport fever」のような交通シミュレーションゲームの延長線上にある感覚です。

センサーの長さはどのくらいがいいの?

動力車1両分が目安です。

確実に反応すれば、長さは自由です。
通常は、動力車1両分くらいが良いです。

CS3の在線確認用のセンサーと違って、何度もオンオフしても問題ないので、長い客車などがあってもホイールベースの長さよりも短くても良いのですが、なるべく避けた方がいいと思います。

3線式のコンタクトセンサーは、短くてもほぼ確実にセンシング出来ると思いますが、2線式のコンダクターセンサーは、電流が消費されないといけないので(S88DCの場合には最低5mA)、消費を判定するのに最低限の長さが必要です。
それが通常は動力車1両分くらいになります。

Rocrailを使っている時の質問

アップデートは自動で行われるの?どうやるの?

自動ではアップデートされません。自分でアップデートします。
新しいファイルをダウンロードして、利用しているRocrailフォルダーに上書きで解凍するだけです。

アップデートは自動では行われないので、自分でやりたいときにアップデートする必要があります。

逆に言うと、強制的にアップデートされないので、管理はしやすいです。

アップデートするには、公式WEBサイトから、新しいファイルをダウンロードして、それを現在使っているRocrailフォルダーに、上書きで解凍するだけです。

念のために、アップデート前に、現在のRocrailフォルダーをコピーして、バックアップを取っておいた方がよいでしょう。

分岐器を手動で切り換えようとしたけど、切り換わらない

鎖錠されている(保安装置が働いている)からです。

当該の分岐器の上に「列車が存在している」と判断されています。

実際にレイアウトを確認して、本当に列車がいるのなら、動かして分岐器から外れてから操作してください。

列車が存在していないのに、レイアウト図で存在していることになっているのなら、それは運行上おかしなことになっているので、一度、列車を取り除いてから、正しく指定し直して、それから分岐器を操作してください。

レイアウトに持っている機関車を全部乗せているけど、いま自動運転したいのはそのうちの3つだけどうすればいいの

その3つの列車だけをダブルクリックStart locomotive)してください。

全自動運転ボタン(水族館モード)を押したらダメです。

走らせたい列車だけをダブルクリック(Start locomotive)すればOKです。

他の列車は動かないですし、走らせた列車が他の列車に当たることもないです。

Go Homeでホームロケーションに帰れない列車がある

手動で帰してあげてください。

閉塞の条件設定などによっては、帰れないままデッドロックすることがあります。

その場合には、デッドロックするまで待って、それから帰れなかった列車のみを、手動でホームロケーションに戻してください。

小さなレイアウトに多数の列車が詰まっていると、そうなったりします。
本当はそうならないように、閉塞設定などを見直すといいと思います。

駅での停車位置の指定(Center train)が効かないんだけど?

以下の設定を確認してください。
・BBT(車両、閉塞の両方)がオンになっている
・BBTがfixされている
・閉塞のCenter trainにチェックが入っている
・閉塞の長さが登録されている
・列車の長さが登録されている

Center trainはBBTの機能です。
ですので、前提としてBBTが有効になっていないといけないです。
初期値では無効になっていますので、駅の閉塞とそこに停車する機関車のBBTをオンにしてください。

機関車に編成を付けている場合には、trainのCenter train設定は、連結している機関車の設定を上書きします。
機関車の設定を使用する場合には「locomotive」にチェックを入れてください。

次に数回機関車を走行させて、BBTに停車学習させます。
進行方向によって、別々のデータが生成されますので、どちら向きにも停車するのなら、両方の向きで学習させておく必要があります。

いい感じに止まるようになったら、BBTをfixして値を固定してください。
固定していない学習状態では、Center trainを有効化することが出来ません。

BBTが「いい感じ」に調整されていないと、Center trainは機能していても効果を実感できません。
1つ下の『BBTの調整方法』も見てください。

停車させる閉塞のCenter trainにチェックを入れてください。

閉塞の長さと、列車の長さが登録されていることを確認してください。

閉塞の長さは、閉塞の端から端まで(センサーそのものを完全に含む)の長さです。

列車の長さはtrainで計算されていると思いますが、完全固定編成の電車などなら、locomotiveに編成長をそのまま指定しても問題はありません。

Center trainでは「前寄せ」「後寄せ」「中央停車」の3つから選択できますが、より細かく、この位置に絶対に停めたいというのであれば、センサー数を3とか4に増やして(enterとinの間に増やす)対応する方が確実です。

詳細は下記の動画をご覧ください。

BBTの調整方法を教えて?
BBTが効いていないように見えるんだけど?

「Deceleration time」と「Correction」で調整してください。

BBTが「いい感じ」に調整されていないと、BBTもCenter trainも効果を実感できません。

どういう状態が「いい感じ」なのかは、enterセンサーから、inセンサーまでの区間で、滑らかに減速しながら停車する状態です。
特に停車区間の閉塞が長かったり、機関車の進入速度が遅かったりすると、いい感じにはなりません。

わかりにくいので、動画で見てください。

これが「いい感じではない例です。
すぐに減速して、ゆっくりとinセンサーまで走っています。このように閉塞が長いと、停車するまでに非常に時間がかかります。

こちらが「いい感じ」の例です。
enterからinまで均等に滑らかに減速して停車しています。

こういう停車が出来ていることが、すべての基本です。
まずは、この停車ができるように調整する必要があります。

BBTは、スケールがHOで、ヨーロッパの平均的な大きさと配線のレイアウトであれば、自動調整されます。
何もしなくても、ただ走らせているだけで、「いい感じ」になります。

しかし、Nや小さなレイアウト、低速走行をさせている場合、enterとinの距離が長い場合などには、自動調整では膨大な試行回数が必要になり、効果を実感できない場合があります。

そのように時には手動で調整してください。

詳細は下記の動画をご覧ください。


Allow Change Directionと何が違うの?

※これは日本の鉄道ではなく、ヨーロッパの鉄道をイメージする必要があります。
頭端式のホームになっている駅のことです。

ヨーロッパの主要駅で見られるような、駅の端が終点で終わっていて、先に線路がない構造の駅のことです。

日本では小田急の新宿駅や、阪急の梅田駅などのような構造です。

要するに、先に進むにはスイッチバックしないといけない形の閉塞ということですね。

機関車牽引の列車がここに到達すると、自動運転は終了します。
入換モードなどにして、機回しなどを行います。

Commuter trainが指定されている列車の場合には、強制的に進行方向が反転します。

この時に、車両に搭載されているデコーダーとコマンドステーションによっては、閉塞に進入すると同時に方向転換して急停車します。
メルクリンの車両はだいたいそうなると思います。
そのような車両は遅延で調整するか、Terminal stationではない方法で進行方向を転換してください。

フライシュマンの車両はだいたい大丈夫だと思います。

そのデコーダー(車両)の純正のコントローラーで手動で運転してみて、スロットルで方向転換操作を行ってみると判別できます。
ゆっくり停車してから方向が切り替わるのなら大丈夫で、急停車するのなら調整が必要です。

「Allow Change Direction(閉塞の初期値でオンになっている)」は、その閉塞で、方向転換を許可するかどうかを指定しているだけです。

実際に方向を転換するかどうかは、列車と次の進行先によります。
「Allow Change Direction」のチェックを外すと、Commuter trainであっても、その閉塞で方向転換することはできなくなります。

Car、Trainってなに?

※これは日本の鉄道ではなく、ヨーロッパの鉄道をイメージする必要があります。
Carは車両1両1両のこと。
Trainは車両が何両か繋がっている状態のこと。

Carは車両1両のことです。
例えば、客車1両、貨車1両です。

これが何両か、または、機関車と繋がって、Trainになります。

Trainは、IC(インターシティ列車)の「1等客車(car)+2等客車(car)+2等客車(car)+制御車(car)」とか、貨物列車の「機関車(loco)+タンク車(car)+タンク車(car)+コンテナ車(car)+コンテナ車(car)」という状態です。

また、これとは別に機関車(trainを牽引する動力車)のことを「Locomotive(Loco)」と区別します。

バラバラに管理するのはメリットしかないからです。

Car1両1両に個別に購入日や画像、特徴、長さなどを登録することで、自分の車両コレクションをデータベースとして管理することが出来るようになります。

機関車(Loco)なら、購入日を登録することで、走行時間や距離から、メンテナンスのお知らせをしてくれたりすることもできます。

長さを登録しておくと、Trainになった時に、編成全体の長さが計算されますので、駅や閉塞の有効長に対して、編成が入れる、入れないといった判断が出来るようになります。

さらに、機関車(Loco)と制御車(Car)を含むTrainが構成されている時には、ファンクションを連携させることが出来るようになります。

これによって、機関車と制御車の進行方向のヘッドライト、テールライトの同期を行うことができますし、室内照明等の他にも連携するファンクションを指定することもできます。

この連携は機関車を付け替えた時も切り替えられるので、CS3のようなコマンドステーションの重連機能を使わなくても、より柔軟で便利に操作できるようになります。

フロー制御ってなに?
FIFOってなに?

駅やステージングヤードで、列車を発車させる条件や順番を設定できるということです。

フロー制御を利用すると、駅やステージングヤードなど、いくつかの閉塞が並んでいるところから、どの列車を、いつ、どういう時に発車させるのか、を指定することが出来るようになります。

前提として、駅やステージングヤードが「Location」として登録されていて、ルートにも設定されている必要があります。

Locationの登録は、メニューの「Tables→Location」から行えます。

Main blocksに駅やヤードに含まれるすべての閉塞を登録してください。
Sub blocksはscheduleなどで使用することがありますが、とりあえず無視してください。

LocationのBlock設定

Detailsタブでフロー制御の設定を行います。

Locationの詳細設定

マニアックに細かく設定できますが、とりあえずは、「Minimal occupancyのみを設定すれば大丈夫です。

「駅の番線に常に残しておきたい列車の数+1」の数字を入力しておく、と覚えればOKです。

例えば、駅の番線が5つあって、次々と列車が入って来ると、番線が埋まっていきますが、駅には最低でも「3列車が止まっている状態にしておきたい」というのなら、ここには「3+1」で『4』を入力します。

2列車が止まっている状態にしておきたい」なら、「2+1」で『3』を設定します。

列車が来ても貯めておかないで、次々と(ランダムで)発車して良いのなら、このフロー制御自体が不要ですので、Locationの設定を含めて何もしないでください。
列車を一定数貯めることで、本線を走行する列車の流れを制御したい時に使うから「フロー制御」なのです。

隣にある「Nr(ナンバー). Automatic locomotives +」は『ゼロ』のままにしておいてください。
これは自動運転でやってくる列車の数ですが、通常はゼロで最小値の値がそのまま適用されるので変更しない方がいいです。

その下のチェックボックスで、列車の発車順番を指定します。

「FIFO」はFirst in first outの略です。
先に到着していた列車から順番に発車していきます。

例えば、列車A、B、C、Dと4つ走っていたとして、この駅に
A→B→Cの順番に到着していたとします。

ここに4番目の列車として(枠にはこの意味で『4』を入力している)、Dが到着すると、駅の番線には4つの列車が存在することになって、残す数の「3」を越えるので、どれか1つの列車が発車することになります。

「FIFO」では、一番先に(時間的に昔に)到着していた「A」が発車します。

もし到着していた順番が、C→A→Bなら、発車するのは「C」になります。

「Downgrade」は、もし次に発車する列車が「A」だとして、この時に「A」の行先の閉塞に別の列車がいるとかで、「A」が進行できない場合に、1回のみ再試行して、それでも進行できないのなら、「A」の発車順位を最後尾に下げます(ダウングレード=降格する)。

A→B→Cという順番で発車する予定だったのが、
「A」が発車できない
もう1回だけ確認して、それでも「A」が発車できないと、
B→C→Aという順番に変更されて、「B」が発車します。

その次の発車は「C」で、「A」はその後ということになります。

「Random」は、バラバラに発車させるのではありません。
上に書いたように、バラバラで良いのなら、フロー制御は使わなくて良いからです。

「Random」は、Rocrailの起動時に、フロー制御の順番をランダムに並べ替えます。
レイアウトを起動したり、再起動したら、列車の到着順番がなかったことになって、入れ替わるよということです。

「Trains」にチェックが入っている場合には、このLocationには、trainになっていない列車は走れません。
機関車単独で何も編成を付けていないと(厳密にはtrainとして組成していないと)進入できなくなるということです。

「Select shortest blok」と「Enable」はセットでオンにします。
前提として、列車と閉塞の長さが登録されていることが必須です。

チェックが入っている場合は、その列車が進入できる「最も短い有効長の番線」に入線します。

要するに、先に短い編成の列車が、有効長の長い番線に入ってしまって、後からもっと長い列車が来てしまい、もう有効長が足りていない番線しか残っていないからはみ出すしかないじゃん、ということを防ぐためにあります。

「Partner」は、このLocationと対になっている、行先側のLocationを指定できます。
指定した場合には、partnerのLocationに最低1つの空きがないと発車しなくなります。

つまり、次の駅などに空線がない場合には、この駅から発車しないといったことができるということです。

その下の「Maximal occupancy」は、ここまで説明した「Minimal」の逆です。

Minimalでは「駅の番線に常に残しておきたい列車の数」を設定しましたが、Maximalでは、反対に「駅で空けておきたい空線の数」を指定します。
デッドロックを避けるための機能です。
普通はどちらか一方を設定すればよいので、使わなくても大丈夫だと思います。

空線の場合には、どちら側から進入するのかという区別も指定する必要があります。
たぶん折り返し線などがあることを想定しているのだと思います。

「+」と「-」で閉塞のどちら側から見て、何本の空線を確保するのかを指定します。

また、ここに入る列車の種類ごとに最大数を設定できます。
貨物ばっかりが来て待避線が埋まってしまったら困るので、貨物は何本まで、インターシティーは何本までなどと制限できるということです。

列車の種類の数で、「commuter train」と「Others」を足した数値は、このLocationのTotalの値(駅に確保する空線数のこと:画面に書いてあるTotalに該当する値)と一致させる必要があります。